第37回「おかやまじっく」決勝戦: Junki Kurokawa(岡山) vs. Ryosuke Jinnai(岡山)

2018年11月18日。秋の色濃くなった霜月の第3週に第37回おかやまじっくが開催された。

前回王者フジイ ショウタ、惜しくも覇権に王手をかけたが夢半ばに散ったオカムラ トモアキも参戦した今日だが、決勝戦まで勝ち残ったのは意表をつく2人。

トリック・スターなプレイングで対戦相手を翻弄するクロカワ、正確な指し手で対戦相手を圧倒するジンナイと、相対するプレイングスタイルが衝突する決勝戦となった。

クロカワが使用するデッキは「エスパー・コントロール」

ジンナイが使用するデッキは「ボロス・アグロ」

このマッチアップの焦点は「ジンナイの猛攻をクロカワが抑え込むことに成功するのか?」に尽きるだろう。

現在環境随一といっても過言ではないボロスの怒涛の勢いを「いなす」のは並大抵のことではない。

果たして勝利の女神が微笑むのは…。運命の一戦が今、始まる。

Game1

スイスラウンド上位のクロカワが先行を選択し、両者マリガン・チェック。

2人とも文句なしの表情を浮かべ、そのオープニング・ハンドを受け入れる。

陣内は《空渡りの野心家/Skymarcher Aspirant(RIX)》から《善意の騎士/Knight of Grace(DOM)》に繋げるスタートで、序盤の滑り出しは順調だ。

その動きを受け、黒川は一旦《黄金の死/Golden Demise(RIX)》をプレイ。一度盤面をリセットし、ここから再スタートをジンナイに強要する。

しかし陣内のデッキはリカバリーも早い。

《黄金の死/Golden Demise(RIX)》へのアンサーとして、返すターンにジンナイが唱えたのは《ベナリア史/History of Benalia(DOM)》!!!

更に次のターンには《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal(DOM)》で、クロカワに息つく暇を与えない。

しかし《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal(DOM)》は、クロカワの《悪意ある妨害/Sinister Sabotage(GRN)》により阻まれてしまう、

されど残った1マナから《軍団の上陸/Legion’s Landing(XLN)》によって、で吸血鬼トークンを戦線に追加。

クロカワはせっかくの《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》も2/2の騎士トークンをバウンスするしかなく、厳しい局面が続く…果たして、しのぐ事はできるのであろうか。

迎えたジンナイのターン、赤マナを含めた4枚の土地をタップし…

《英雄的援軍/Heroic Reinforcements(M19)》!!!

これにより生まれたトークンと併せて戦線を全てレッド・ゾーンに送りこむ。

このアタックでテフェリーを沈め、併せて黒川に9点を強烈に叩き込むことに成功。

何もアクションを取れないクロカワ、もう後がない。

返すターン。「とどめだ」と言わんばかりに、ジンナイは《ベナリア史/History of Benalia(DOM)》と《善意の騎士/Knight of Grace(DOM)》を盤面に追加…!

完全に傾いてしまった場を静かに確認したクロカワは、静かにカードを片付けた。

ジンナイWin

ジンナイ 1 – 0 クロカワ

実は普段から親交のある両者。

RPTQのチーム戦にも一緒にチームを組んで出場しており、ゲーム中やサイドボーディング中も、緊張感を持ちながらも、和やかで楽しそうなのがとても印象的である。

Game2

両者7枚のハンドを『ヤバスギ(笑)』と笑いあいマリガン。

どうやら両者共に、土地が6枚であった。こういった部分でも仲が良いことが伺える。

マリガン後、2人とも6枚をキープ…。当然ながらキープ基準は各々違う。クロカワは軽めの除去で序盤をさばけるか、ジンナイは序盤に展開して場を圧倒できるか。

ファースト・アクションはジンナイ。

1ターン目:《軍団の上陸/Legion’s Landing(XLN)》

2ターン目:《アダントの先兵/Adanto Vanguard(XLN)》

3ターン目:《善意の騎士/Knight of Grace(DOM)》

とマリガン後とは思えない好調な滑り出し。

相対するクロカワは落ち着いて《黄金の死/Golden Demise(RIX)》で盤面を一掃。更地にした盤面は一戦目を思い出させる。

織り込み済みではあるものの、やはり流されると痛いアグロを性質を粛々と受け止めるジンナイ。

眼光鋭く、不屈の精神を持つジンナイ…返すターンに《不屈の護衛/Dauntless Bodyguard(DOM)》を2体展開し、直後のターンに《英雄的援軍/Heroic Reinforcements(M19)》をキャスト!

これはマストカウンターだが手元にないのか…クロカワの妨害は成らず、致命的な《英雄的援軍/Heroic Reinforcements(M19)》が解決される。

勢いに作り出したジンナイ、当然のフルアタック。10点のダメージを叩き出し、更に《軍団の上陸/Legion’s Landing(XLN)》を反転させるビッグターンを演出する。

残りライフが3と落ち込んでしまったクロカワ。《一番砦、アダント/Adanto, the First Fort(XLN)》の存在が重くのしかかる。

しかしクロカワも驚異の粘りを発揮し始める。

ジンナイが王手をかけてきた2体でのアタックを涼しい顔で《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》で退ける。

残った兵士・トークンと《不屈の護衛/Dauntless Bodyguard(DOM)》を、再度《黄金の死/Golden Demise(RIX)》で葬るクロカワの目…まだ力尽きてはいない。

ジンナイは《一番砦、アダント/Adanto, the First Fort(XLN)》から吸血鬼・トークンを生み出し、場を支配しようと試みる。

場を支配させてはならない…後がないクロカワが引き込んだのは《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer(DOM)》。

5マナ、5/5、飛行、絆魂、先制攻撃の5拍子が場を制圧するのは《悪斬の天使/Baneslayer Angel》が証明済み。数々のアグロ、特に赤絡みのデッキを苦しめるプロフェッショナルである。

決勝戦の行方を見守るオーディエンスも「これはクロカワが捲ったか」と息を呑んで行方を見守る…。

クロカワが逆転の目を託した天使に、ジンナイが差し向けたのは…

《議事会の裁き/Conclave Tribunal(GRN)》

その後、ジンナイのフルアタックを2枚目の《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》、《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt(XLN)》で凌ぐクロカワ。

懸命なクロカワを嘲笑うかのように、《一番砦、アダント/Adanto, the First Fort(XLN)》で吸血鬼・トークンを呼び出し続けるジンナイ。

もう、誰の目にも勝敗は明らかであった。

紳士的なプレイの上に、楽しいマジック・ザ・ギャザリングは成り立つ。

クロカワは右手を差し出し、”勝者”である”友”を讃えたのだった。

ジンナイWin

ジンナイ 2 – 0 クロカワ

第37回おかやまじっく、優勝は「ボロス・アグロ」を駆るジンナイ リョウスケ!

おめでとうございます!!!

by運営一同