ライブラリーアウトとの出会い

Author:かずなり
2015/08/16(日) 14:00

マジックは「基本的に」対戦相手のライフを0点にして勝利するゲームである。
しかし、ご存知の通り他にも「その他の条件」で勝利することができる。
カード効果、毒カウンター、そして『ライブラリーアウト』。

「特殊な条件での勝利」…なんと甘美でロマン溢れる言葉だろう。
5年前、私がライブラリーアウトに魅せられたときのことを、備忘録を兼ねてコラムとして綴っておこうと思った次第である。

仕事の関係でカードゲームを調べていたところ、マジックに出会った。当時の最新エキスパンションはゼンディカーブロックのワールドウェイク。

岡山の片隅で、とある25才児は
『吸血鬼デッキ、超クールやないか!
エルフ?そんなんビキニアーマーを破壊されて触手でxxxxされるだけやろ?
ジャンド…?もかっこいいけど、やっぱバンペイユ1択やな!』
とブツブツつぶやきながら、部屋で一人「ゼンディカー」と「ワールドウェイク」のパックを開封していた。

その時にレア枠から出てきた青いカードが目についた。
『書庫の罠』 ルールテキストが長い。ちょっと良くわからない。5マナ。インスタント。
よくよく読んでみると、どうやら0マナで唱えることができるらしい。
強い…のか?なぜライブラリーから墓地に?

いまいち効果もよくわからないまま、『書庫の罠』はストレージボックスに突っ込んでおいた。
そう、その時は『恐血鬼でねーなぁ』で終わってたのである。

仕事の一環で始めたとはいえ、面白そうだなと気になり始めたので
『手ぶらでいけて、すぐ遊べる!上達する!それがドラフトである』
というネット上の情報を鵜呑みにしてフライデーナイトマジックのドラフトに参加した。
(この情報は今でも正しいんじゃないかと個人的には思っています。今はリーグがあるので、リーグの方が悲しみを背負いにくくて、より楽しいと思います。)

この頃のことはまた別の機会に話たいと思うが…まぁ負けた。負けちらかした。カードゲームの素養が無い上に、ドがつく初心者。デジタルゲームも好きだけど、もともと不器用でそんなに得意じゃない自分がイキナリやるには難易度的にはナイトメアだったのである。レーティングは原点の1600をガンガン割っていき、PWPが導入される前には1400近くまで落ち込んでいたような記憶がある。

ただ楽しかった。負けちらかして、参加費を払って、3時間くらいかけて、50円レアを3つもって帰っても楽しかった。もちろん負けて悔しい気持ちにもなるが、何よりマジックをプレイすることが楽しい。今でもその気持ちは忘れてないし、私のマジックに対するスタンスはこの時点で形作られたのだと思う。

ドラフトでエブリタイム0-3製造機と化していた自分だったが、あるとき膠着した盤面で長引いたゲームをプレイしていた。40枚という極小サイズのライブラリーは毎ターンのドローによってどんどん薄くなっていく。

そのような状況の中で、異様に興奮したのである。勝利することよる興奮。それもあったと思う。しかし、経験したことがない特殊な勝利…ライブラリーアウトによる勝利が目の前に訪れようとしている。その事実にメチャクチャ興奮した。結果としてはライブラリーアウトせず、また負けて0-3した。

しかし、この興奮の虜になってしまった自分は家に帰り、ライブラリーアウトに関連する情報を集めまくりストレージから引っ張りだしたのは『書庫の罠』と『面晶体のカニ』。

Archive Trap Hedron Crab

当時のスタンダード構築で使うようの黒単ヴァンパイアは既に完成していて、カード資産も予算もなかったので新しいデッキができなかっただけである)

時は少し下り、スタンダードが『ゼンディカ~ミラディンの傷跡+基本セット2012+基本セット2011』になったときにアドバイスを色々もらって青白ライブラリーアウトが完成した。
今はもう崩してしまっているが、思い出のデッキである。

当時のスタンダード猛威をふるった戦隊の鷹と石鍛冶の神秘家+○○の剣で構成された『カウブレードパッケージ』を搭載したTier1(トップメタ)まったなしのデッキがこちら。

KAZUNARI’S CRAB-BRADE
Creature(16)
4 《面晶体のカニ
4 《石鍛冶の神秘家
4 《戦隊の鷹
4 《前兆の壁
Sorcery(8)
4 《思案
4 《定業
Instant(8)
4 《書庫の罠
4 《マナ漏出
Enchant(2)
2 《精神の制御
Artifact(2)
2 《肉体と精神の剣
Land(24)
6 《
4 《平地
4 《氷河の城砦
4 《沸騰する小湖
2 《霧深い雨林
4 《湿地の干潟

私が○○の剣サイクルで一番好きなのは青緑剣こと「肉体と精神の剣」。パワーの修正値が+2もあるので、うっかりライフを0点にしてしまう危険性はあるものの、ダメージが通ったらライブラリーを10枚削りつつ、ブロッカーとして役立つ狼トークンの生成と超クールでイカしたナイスなソードである。

このデッキから、私はライブラリーアウトに取り憑かれてしまった。
好きなコンボは「ヘルムヴォイド」と「ペインター」。
好きなプレインズウォーカーは「記憶の熟達者、ジェイス」。
好きなギルドは「ディミーア家」。

大切な仲間と楽しい時間をすごす、様々な楽しみ方を受け入れる懐の深さ…
私はマジック・ザ・ギャザリングを通じて楽しい体験を共有したいと願っています。

情報サイト運営、大会運営。どちらも初めてのことであり、至らぬ点も多々あるとは思います。
厚かましいお願いであることは重々承知しておりますが、これからも「岡山マジック速報」と「おかやまじっく」を、よろしくお願いいたします。