第12回 決勝カバレージ:Fujii Akira Vs Ogino Yuki
Author:ジェス川
2016/08/05(火) 14:00
決勝で会いましょう
スイスラウンド5回戦目、二人はそう言って熱い握手を交わした。
予選を突破した強者ひしめくシングルエリミネーションを勝ち進み、決勝卓で再び握手を交わす二人の姿がそこにはあった。プレイヤーの名はFujii AkiraとOgino Yuki、お互いおかやまじっくの優勝経験のある実力者だ。
Fujii のデッキは「赤青ゴーグル」、前環境から愛用していたデッキを「異界月」を経てアップデートさせたものだ。
Oginoのデッキは「白緑黒撤退コントロール」。「緑白が猛威を奮うなら開き直って好きなことしよう」と大胆な発想から構築されたものだ。
バントカンパニー一強とされる現スタンダード、まさかのローグデッキ同士の激突とは誰が予想できようか。
第12回おかやまじっく決勝戦の幕が上がった。
Game 1
スイスラウンドの結果で先攻はFujii。初手はFujiiはキープ、Oginoは1マリガン。お互い2ターンまでの動きは《さまよう噴気孔》《乱脈な気孔》をセットと緩やかなものだった。
先に口火を切ったのはFujiiだ。《熱病の幻視》を唱え手札の補充とOginoへのダメージを狙う。動きが遅く、手札を多く抱えやすいOginoには致命的な一枚だ。「相性悪いな」そう呟きながら《苦渋の破棄》で《熱病の幻視》を払うOgino。
しかし、Fujiiは二枚目の《熱病の幻視》を張る。それに対するOginoのアクションは《エメリアへの撤退》のと苦しいものだった。
ターンを終えたOginoを蝕み始める《熱病の幻視》、そこに追い打ちをかけるようにFujiiは《さまよう噴気孔》を起動し4点のダメージを与える。
「もうサイドしか考えてない」
熱病にうなされたかのように呟きながら《ハグラへの撤退》を唱えるOgino。
《熱病の幻視》と《さまよう噴気孔》のダメージに対し心許なさそうだ。《進化する未開地》を起動し兵士トークンの生成とライフドレインと抵抗を試みる。
それに対するFujiiは《紅蓮術師のゴーグル》を唱え、そこから赤マナを引き出し、《苦しめる声》をキャストで4ドロー。着々と体制を整える。
その隙をついてOginoは《乱脈な気孔》を起動し、セットランド。《エメリアへの撤退》の+1/+1の全体強化を誘発させ、兵士トークン二体と共に7点ダメージを叩き込む。熱病に冒されながらも反撃を続ける。
しかし、ここからFujiiの烈火の如き猛攻が始まる。
《炎呼び、チャンドラ》をキャストし、忠誠度-1で兵士トークンを消し炭にし、反撃の芽を潰す。彼女の次の狙いはおそらくOginoだろう。
Oginoは二枚目の《苦渋の破棄》で《熱病の幻視》を打ち破り、上陸で兵士トークンの生成とライフドレインを行いターンを返す、4マナは残した状態だ。
ターンを得たFujii、彼の友軍の紅蓮術師はこの時を待っていたと言わんばかりにエレメンタルトークンを生成、Oginoに狙いを定め、発射する。突撃するエレメンタルに対しOginoはX=3で《荒野の確保》をキャスト。戦士トークンでその攻撃を防がんとする。
しかし、Fujiiの動きが何枚も上手だった。
異界月で新たに加わった赤魔法《流電砲撃》でトークンの一体を撃破、さらにゴーグルから赤マナを生成し、怒涛を達成した《巨人の陥落》をX=6でキャスト、Oginoに12点の業火を投げつける。熱病に苦しめられ続けたOginoのライフは11。
《熱病の幻視》と圧倒的な赤魔法の猛攻を前にOginoは撤退を余儀なくされた。
Fujii 1-0 Ogino
Game 2
お互い手札はマリガンなしのキープ。
2ターンまでの動きはほとんどなく、Fujiiは《高地の湖》、Oginoは《進化する未開地》《ねじれ地帯》とフェッチランドを並べる。
3ターン目先に動いたのはOgino、《ハグラへの撤退》を唱え、Fujiiは《熱病の幻視》を唱える。ライフドレインの能力とダメージを与える能力を持つエンチャントが並び、壮絶なライフの奪い合いを予想させる場となった。
先にライフを攻めたのはFujiiだ。
《苦しめる声》で《癇しゃく》を捨て、マッドネスコストを支払い3点ダメージをOginoに浴びせて2ドロー。Oginoは《ジャディの横枝》、《エメリアへの撤退》のを唱え体制を立て直す。しかし《熱病の幻視》はジワジワとOginoに苦痛を与える、やはり手札を使い切るのは難しそうである。
対して攻撃の手を緩めないFujiiは《ハンウィアー守備隊》をキャスト《流電砲撃》に次ぐ異界月で新たに登場したカードだ。
Fujiiは《熱病の幻視》《ハンウィアー守備隊》でアグレッシブに攻める動き。対するOginoは《ジャディの横枝》《エメリアへの撤退》《ハグラへの撤退》の上陸効果を《ねじれ地帯》や《荒廃した森林》でバックアップ、ライフゲインで守りを固めライフドレインと生成した兵士トークンででじわじわと攻める動きだ。Oginoの6ターン目終了時の段階でお互いのライフはFujiiが17、Oginoが16、《ハグラへの撤退》のドレインが効いているようだ。
Fujiiの6ターン目《紅蓮術師のゴーグル》をキャストし、即起動からの《巨人の陥落》をX=1でキャスト。トークン2体、《ジャディの横枝》、Oginoに1点ダメージを撒き散らす。
そして焦土と化したOginoの場に《ハンウィアー守備隊》を突撃させる。Oginoは1点ダメージを受けた《ジャディの横枝》で1/1の人間トークンをブロックし、《ハンウィアー守備隊》とトークンの攻撃を受ける。Oginoは上陸で兵士トークンを生成し、ライフドレインを行い《ニッサの誓い》をキャストし、《ガイアの復讐者》を手札に加えターンを返す。
ここでFujiiはOginoの土地を確認する。場には《荒廃した森林》、Oginoの上陸を視野に入れて熟考する。しばらく考えた後、二枚目の《熱病の幻視》をキャスト。《ハンウィアー守備隊》と人間トークンでフルアタック。まともに通したら6点ダメージ、《熱病の幻視》二枚を張られた状態ではかなりの痛手だろう。
Oginoは《ハンウィアー守備隊》を兵士トークン一体でブロックし、《荒廃した森林》を起動する。上陸が二回誘発し、二枚の《エメリアへの撤退》のから兵士トークン2体を生成し《ハグラへの撤退》でパワー上昇と接死付加、ライフドレインを一回ずつ発動させる。
ブロックに対しFujiiは《紅蓮術師のゴーグル》から生み出したマナで怒涛の《巨人の陥落》をX=4でキャスト。ブロックに参加している兵士トークンと《エメリアへの撤退》の兵士トークン三体を焼き払う。Oginoの場には兵士トークン二体と《ジャディの横枝》。
ターンが回ってきたOginoはFujiiのフルタップを確認。度重なる《ハグラへの撤退》の効果によりFujiiのライフは14。
「ここが決め時だ」Oginoが動いた。
《進化する未開地》をセットし即座に起動する。二枚の《エメリアへの撤退》ので全体強化を二回誘発、《ハグラへの撤退》でライフドレインを二回選択。Fujiのライフは12になる。場に出ていた二枚の《ねじれ地帯》を起動し、先の手順を2回繰り返す。
Fujiiの場は土地もクリーチャーもフルタップ、ライフは10。5/5にまでパンプアップした二体の兵士トークンがノーガードのFujiiを仕留めた。
Fujii 1-1 Ogino
マリガンチェック、Fujiiは即キープを宣言、Oginoは1マリガンを宣言。1、2Rと異なり今回の初動は早かった。Fujiiは2ターン目から《苦しめる声》をキャストし手札を整える。それに対してOginoは《ジャディの横枝》をキャストし、《進化する未開地》をセット。積極的にライフゲインを行う。
3ターン目、Fujiiはまたも《熱病の幻視》を張るという理想的な動きをみせた。
Oginoはそれに抗うかのように《ハグラへの撤退》を張り、ライフレースに備える。
4ターン目、Fujiiはセットランドをし、ターンを返す。ターンを返されたOginoは《カザンドゥへの撤退》をキャストするも《否認》で打ち消される。Oginoの呪文をねじ伏せ、勢いがついたようにみえたFujiiは二枚目の《熱病の幻視》を唱えた。「耐えれんやつや」Oginoは叫びながら《苦渋の破棄》で《熱病の幻視》を処理。
しかし、Fujiiの手札は容赦なくオギノを追い詰める。
《現実を砕くもの》を走らせ、ドレインとライフゲインで延命していたOginoのライフを13に減らす。Oginoは《進化する未開地》をセットし、ターンを返す。
Fujiiは《紅蓮術師のゴーグル》をキャストし、再び《現実を砕くもの》を突撃させる。
それに対してOginoは《荒野の確保》をX=4でキャスト、《ジャディの横枝》をブロックに当て、《進化する未開地》を起動。
《ハグラへの撤退》を誘発させ、+1/+0の修正と接死を付加し、《現実を砕くもの》との相打ちを狙う。
しかし、Fujiiの《紅蓮術師のゴーグル》から放たれた怒涛を持ったX=2の《巨人の陥落》がOginoの目論見を砕く。
《ジャディの横枝》に4点のダメージと戦士トークン2体に2点のダメージを浴びせ、《現実を砕くもの》の攻撃をねじ込ませた。
Oginoのライフは8。
Oginoは活路を見出すために二枚目の《ハグラへの撤退》のをキャスト。上陸を発動させ、2点のドレインと《ジャディの横枝》で1点ライフゲインを行う。
しかし、Fujiiの燎原の火のごとき追撃の前にはもはや焼石に水だった。
Fujiiは二体目の《現実を砕くもの》をキャストし、二体でフルアタック。
Oginoは戦士トークン2体と《ジャディの横枝》で《現実を砕くもの》一体を共同ブロックする
しかし、《紅蓮術師のゴーグル》から唱えられた二発の《稲妻の斧》が《ジャディの横枝》と戦士トークン一体を容赦なく吹き飛ばす。
《現実を砕くもの》一体が5点ダメージ、戦士トークンにブロックされた《現実を砕くもの》はトランプルで4点ダメージを貫通させ、Oginoに引導を渡した。
Fujii 2-1 Ogino
第12回おかやまじっく、参加者35人の頂点に立ったのは赤青ゴーグルを使ったFujii Akiraさんでした。おめでとうございます!
“Congratulations!!”