第16回 決勝カバレージ:Takahiro Iiri vs Yuichi Mitsuzane
Author:ジェス川
2017/01/03(火) 17:00
第16回おかやまじっく、決勝卓についたのはIiriとMitsuzane。
Iiriの使用デッキは赤黒バーン。「バーンでどこまで今のメタゲームを戦い抜けるか挑戦してみたかった」というバーンスペルのように熱い意思から生まれたデッキだ。
対するMitsuzaneのデッキは白黒レジェンド。「どのカードも主人公みたいで楽しい」そう語る彼、《大天使アヴァシン》や《折れた刃、ギセラ》といったイニストラードの空を舞う天使や《死の宿敵、ソリン》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》といった心強いプレインズウォーカーと強力なカードが目白押しのグッドスタッフデッキだ。
Iiriの炎が全てを焼き尽くすのか、Mitsuzaneの軍が蹂躙するのか。今年最後の締めくくりとなる戦いの火蓋は切られた。
Game 1
先手はIiri、両者とも迷いなくキープを選択。
Iiriは1ターン目から《傲慢な新生子》をキャストと順調な滑り出し、Mitsuzaneは《乱脈な気孔》をタップインと安定した動きだ。
2ターン目、Iiriは吸血鬼でアタックをし、Mitsuzaneのライフを19にする。Iiriの急襲に対してMitsuzaneは土地を置いてターンを返すのみだ。
3ターン目、Iiriの攻撃はヒートアップしてゆく。《ラスヌーのヘリオン》をキャストしエネルギーを確保。吸血鬼とフルアタックを宣言。Mitsuzaneのライフは14。Iiriはしっかりとエネルギーを支払いヘリオンを維持する。
Iiriの猛攻に抗うべくMitsuzaneは《リリアナの誓い》をキャストし、Iiriに手駒の生贄を強要、Iiriは迷わず吸血鬼に手を掛ける。
だが、Iiriの猛攻は収まらない。ヘリオンのアタックでMitsuzaneのライフを10に減らし、《集団的蛮行》の増呪を1回行うことを宣言。増呪コストで捨てたのは《癇しゃく》。迷うことなくマッドネスコストを支払い、Mitsuzaneに3点ダメージを浴びせ、ライフを7点にする。さらに《集団的蛮行》で2点のドレインとインスタント・ソーサリーのハンデスを宣言。
Iiriのライフは22、Mitsuzaneのライフは5、更にMitsuzaneの手札から《闇の掌握》を墓地に叩き落とす。エネルギーを失ったヘリオンは墓地に姿を消した。
これでIiriNのクロックはゼロ。しかし、生物による打点など無用と言わんばかりの呪文の連打でMitsuzaneのライフを脅かす。
ターンを返されたMitsuzane、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をキャストし、二番目の能力を宣言、トークンを生成、さらに《リリアナの誓い》の誘発型能力でゾンビを生成。次のターンの攻撃に備える。
着々と攻撃の態勢を整えるMitsuzaneの盤面を前にIiriは全く動くことなくターンを返す、まさに「嵐の前の静けさ」を思わせる雰囲気だ。ターンを得たMitsuzane、ギデオンとトークン、ゾンビで総攻撃を宣言。Iiriのライフは一気に22から13にまで減少。ギデオンとリリアナの共闘はノーガードのIiriに大ダメージを与えた。
しかし、両者のライフレースの差はあまりにも開き過ぎていた。Mitsuzaneがターンの終了を宣言を行った直後、Iiriの手札から二発目の《癇しゃく》が放たれる、Iiriのライフは2点。
そしてIiriのターン、Iiriの唱えた《焼夷流》がMitsuzaneを容赦なく焼き尽くした。
Iiri 1 – 0 Mitsuzane
Game 2
先攻はMitsuzane、Iiriはキープを宣言、Mitsuzaneはダブルマリガン。
1ターン目はお互いにランドセット。
2ターン目、同じくセットランドを行ったMitsuzaneに対し、Iiriは《焼夷流》を浴びせ、Mitsuzaneのライフを17にする。
3ターン目もMitsuzaneは土地を置くのみと静かな挙動。そこに付け入るかのように呪文で攻めるIiri、《集団的蛮行》で増呪を一回行うことを宣言、《癇しゃく》を捨て、マッドネスコストを支払う。
選択はライフドレインとインスタント・ソーサリーのハンデスだ。
ここでMitsuzaneが動いた。Iiriの黒魔法に浸食される寸前、《神聖な協力》を唱え、4点のライフゲインを宣言。
Iiriの《集団的蛮行》と《癇しゃく》による5点のダメージを差し引きで1点に抑えた。これでMitsuzaneのライフは16。
そしてMitsuzaneの公開した手札には土地と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と《サリアの槍騎兵》とハンデスモードは不発に終わった。
Iiriの魔法の連打を凌いだMitsuzane、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を唱え、トークンの生成を選択。
しかし、MITZANEの援護に現れた屈強な騎士はIiriの手札から放たれた《炎の鞭打ち》によりあえなく戦線離脱してしまう。
不意の砲火に心強い兵を奪われても、怯むことなく手札を切るMitsuzane、《サリアの槍騎兵》を戦場に着地させ、《折れた刃、ギセラ》をサーチし、手札に加えた。
この動きはMitsuzaneの活路を切り開くのか。
そしてギデオンの遺したトークンでIiriにアタック。Iiriのライフは20。
ターンを渡されたIiri。しかし、動きはなく、ただターン終了を告げるのみだ。
Mitsuzaneのターン、槍騎兵とトークンでIiriに6点のダメージを与え、《折れた刃、ギセラ》をキャストし、ターンを返す。
Mitsuzaneの軍を前に孤立無援だったIiriにも援軍が訪れた。先のターン、Mitsuzaneのギデオンを一撃で退けた魔法《炎の鞭打ち》、その使い手である紅蓮術師《反逆の先導者、チャンドラ》だ。
彼女は戦場に降り立つや否やIiriの宣言通り三番目の能力で槍騎兵を消し飛ばした。
それでもなお、Mitsuzaneの進軍は止まらない。兵士トークンが忠誠度が1のチャンドラを打ち取り、ギセラの刃が容赦なくIiriのライフに突き立てられる。「折れた刃」といえどその剣に宿るのは「絆魂」、Iiriのライフを容赦なく奪いとる。
そしてMitsuzaneの送り込んだ《空中対応員》がIiriの戦意を完全に奪いとった。
Iiri 1-1 Mitsuzane
Game 3
先手はIiri、Iiriはキープ、Mitsuzaneは溜息と共にダブルマリガンを行う。
2ターン目、Iiriの《屑鉄場のたかり屋》が先陣を切る。IiriHは平地を置いて動きはなし。
ターンを得たIiriは《ラスヌーのヘリオン》をキャストし、たかり屋と共にMitsuzaneに突撃させる。
ノーガードのMitsuzane、ライフは13。溜息混じりに5枚の手札をキープしたをしたMitsuzaneだが、このままIiriの烈火の如き猛攻の前になすすべなく崩れ落ちてしまうのか?
Iiriの様子は決勝ラウンドが始まって以来どの場面も冷静沈着だった。淡々と呪文を唱え、相手のライフを削ってゆく。
彼のデッキがバーンスペルを多用したアグレッシブなものであったのもその冷静さを際立たせていた。
しかし、Mitsuzaneが送った刺客はそんな彼の表情を歪めた。
召還されたのは《配分の領事、カンバール》。
「予選ではこいつに散々泣かされた」苦虫を噛み潰したような顏で《蓄霊稲妻》を唱えるIiri。
Mitsuzaneの「友達」は無論その魔法を見逃す訳もなく、ライフの配分をしっかりと行い、稲妻に貫かれ退場する。
Iiriのライフ18、Mitsuzaneのライフ15。
厄介な存在を排除したIiriのヘリオンとたかり屋は容赦なくMitsuzaneにダメージを与える。Mitsuzaneのライフ8。
エネルギーの枯渇したヘリオンは墓地に置かれた。
Iiriにプレッシャーを与えた駒を討取られたMitsuzane、土地をセットし、Iiriの攻撃に備える。
ターンを得て攻撃してきたたかり屋を《闇の掌握》で握り潰すも、2体目の《屑鉄場のたかり屋》のがキャストされる。
ターンを返されたMitsuzane、《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》を呼び出し、二番目の能力でたかり屋を潰す。
Mitsuzaneのターン終了時、Iiriは墓地のヘリオンを使い、たかり屋1体を戦場に戻した。
Iiriのターン、Iiriは目前の悪魔にも目もくれず、たかり屋の攻撃でライフを5にする。
そして《集団的抵抗》の増呪でモードを一つ増幅、プレイヤーへ3点ダメージと手札の総入れ替えを選択。手札から捨てられたのは《癇しゃく》。
二発の三点火力がMitsuzaneのライフを吹き飛ばした。
Iiri 2 – 1 Mitsuzane
第16回おかやまじっく、優勝はIiri Takahiroさんです。おめでとうございます。
勝利した両マッチとも6ターンで相手のライフを焼き尽くすというまさに電光石火のプレイングでした。