第34回「おかやまじっく」決勝戦: Tomoaki Okamura(岡山) vs. Akira Fujii(岡山)
第34回「おかやまじっく」決勝戦: Tomoaki Okamura(岡山) vs. Akira Fujii(岡山)
第33回から2ヶ月の充電期間を経て、8月26日に開催となった第34回おかやまじっく。スタンダードはシーズン外という状況ながらも14名の参加でスタートしました。
最高気温36度と夏真っ盛りの中、スタンダードの本戦やサイドイベント、お昼からのモダントーナメントなど会場にお越しいただいた皆様、ありがとうございます!
スイス5回戦が終了し、見事決勝トーナメントの決勝戦へ駒を進めたのはこの『二人』。
岡山内外を問わずプレミアイベントに参戦するなど、精力的に活動しているプレイヤー、フジイ アキラさん。彼の対戦記事を何度書いたことだろう。フジイが今日使うのは「青白エターナライズ」と名付けられた、珍しいコンセプトを採用したデッキだ。
フジイがこのデッキを掴んだ理由は…『環境に墓地対策が薄い』と読んだからだ。一度キーカードである《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》を置くことが出来たら、怒涛の攻め手は途切れることがない。今回も素晴らしい試合を期待しよう。
対する決勝プレイヤーはオカムラ トモアキさん。彼はおかやまじっくの立ち上げ当時から継続して参加してくれているプレイヤーの一人であり、毎回異なるデッキを持ち込みながら全力でマジックを楽しむ姿が筆者の心に強く印象に残っている。
そんな彼が持ち込んだデッキは…最早この環境の顔ともいえるであろう《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》を主軸にしたエスパーカラーのコントロールデッキだ。このアーキタイプの力強さは、今ではもう全世界のプレイヤーの知るところであるだろう。
フジイさんが圧倒的に攻めきるか、それともオカムラさんが華麗に受けきるか…はたまた、全く別の展開が待ち受けるのか?
そんな筆者やギャラリーの予想と両者の思惑が交差し、二人は握手を交わして7枚の手札を確認した…!
今、戦いの火蓋は切って落とされる。
Game1
スイスラウンド上位者の権利によりオカムラが先行を選択。
両者初手をキープし、7枚の手札を構えてゲームが始まる!
ファーストアクションはフジイ。2ターン目に《航路の作成/Chart a Course(XLN)》を唱える。それをオカムラが《否認/Negate(AER)》する、挨拶代わりの呪文を応酬する立ち上がり。
動かねば勝機が見えぬフジイ、動きを止めないと為す術がなくなるオカムラ。当たり前ではあるが、がっぷり組んだ両者は全く譲る気配を見せない。
静かにお互い一呼吸を置き…間合いをとり、体制を立て直す。
ならばとフジイは4マナからキーカードの《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》をプレイするビッグアクション!オカムラは一瞬考えるも、なんと《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》を通してしまう!
呪文が解決したことにより、キーカードが着地したフジイが有利か、と思われた刹那…オカムラが差し向けるは《俗物の放棄/Forsake the Worldly(AKH)》!!
選定の有無に関わらず、行進は俗物だとでも言うのか…しかし、放棄させられし者、フジイの目はまだ死んでいない。
やっかいな置物を排除し、迎えたオカムラの5ターン目。
5枚の土地からマナを生み出し、『英雄』が降り立つ。
そう、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》である。
フジイは盤面にいる《陽光鞭の勇者/Sunscourge Champion(HOU)》で《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》の忠誠値を削り、さらに《機知の勇者/Champion of Wits(HOU)》を盤面に追加する。
オカムラも《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》をなんとか守りきりたいと考え、手札にたまってしまっていたカードを2度3度とサイクリングしていたのだが…その願いは叶わうことはなく、フジイの2体のクリーチャーの前に、《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》が沈められてしまう。
フジイは追加のクリーチャーとして《賞罰の天使/Angel of Sanctions(AKH)》を召喚し、オカムラの反撃の芽を摘みにかかる。《賞罰の天使/Angel of Sanctions(AKH)》の追放能力の対象はオカムラの《アズカンタの探索/Search for Azcanta(XLN)》、それでもオカムラのポーカー・フェイスは崩れない。
そして次のターン、土地をオープンで返してきたオカムラの前にフジイの手が止まる。
そう、オカムラのデッキはエスパーコントロール。当然入っていると考えるであろう『あるカード』の存在。
《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》…!
握っているのか??
いや…ない!
もしあるのなら…
英雄を守れた《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》を…
オカムラは持ってはいないハズ!
フジイがそう考えたのかは筆者にはわからない。
ほんの少しの時間をおいて、フジイはクリーチャー3体をレッドゾーンに突っ込ませる。
おかむらは力なく宣言する。
「……受けます、7点ですか?」
そう、《残骸の漂着/Settle the Wreckage(XLN)》はなかったのだ…。
オカムラも攻撃クリーチャー指定後にも、再三のサイクリングによって「回答」を探し求めていたのだが、この状況を打破できるであろう「回答」は得られなかった。
フジイ Win!
フジイ 1 – 0 オカムラ
Game2
ここからなんとしても巻き返しを図りたいオカムラ。
当然先手を選択し、その初手7枚を受け入れ、フジイも初手7枚でそれに応える。
先のゲームと同様に、フジイが《航路の作成/Chart a Course(XLN)》を唱えると…なんと今回は解決が許される!
墓地に送られるのは《機知の勇者/Champion of Wits(HOU)》。この選択はフジイの好調を予感させる。
続くターンにフジイは《ベナリア史/History of Benalia(DOM)》を繰り出すも、オカムラはこれを《不許可/Disallow(AER)》。
返すオカムラは《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass(XLN)》をプレイし、フジイの手札の確認すると…そこには…なんと二枚の《機知の勇者/Champion of Wits(HOU)》が!
これには2人とも苦笑い。そして当然、《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass(XLN)》の能力により《機知の勇者/Champion of Wits(HOU)》が指定され、脅威は封じられたのだった。
しかし、なんということだろう…オカムラは置けなかったのである、4枚目の土地が…。
オカムラの手札にたまっていくのは
《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria(DOM)》
《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk(KLD)》
《暗記+記憶/Commit+Memory(AKH)》
《燻蒸/Fumigate(KLD)》
《天才の片鱗/Glimmer of Genius(KLD)》
といった重量級カードたち…。
一方、フジイは打って変わって順調に土地を伸ばし、
《ベナリア史/History of Benalia(DOM)》
《選定された行進/Anointed Procession(AKH)》
と軽快に展開。
さらには《賞罰の天使/Angel of Sanctions(AKH)》によって、オカムラの《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass(XLN)》を除外し、《機知の勇者/Champion of Wits(HOU)》の封印をこじ開ける!
この怒涛の展開にはオカムラもデッキを畳むしかないのであった…!!!
フジイ Win !
フジイ 2 - 0 オカムラ
第34回おかやまじっく優勝はフジイ アキラに決定!!おめでとうございます!!!
来週の日本選手権での活躍を、運営スタッフ一同、期待&応援しています!
by パナップ&カズナリ